オリゴ糖と甜菜糖の話

『食のパラドックス』では、

「人工甘味料は、善玉菌を殺す一方で悪玉菌を過剰繁殖させる」(p.131)
「純粋なサトウキビ由来の砂糖も含めて、いかなる糖類も取るべきではない」(p.133)

と、
書かれています。

「取っても大丈夫な甘味料」としては、ステビア、キシリトール、ラカンカ、エリトリトール、ヤーコン、イヌリンなどが書かれていますが、価格や入手性の問題で、正直、どれもイマイチ使いにくい・・・

じゃあ、「オリゴ糖はどうなんだろう?」と思ったら、これが、書籍の中では全くと言っていいほど触れられていないのです。

(もし僕が見落としているだけなら、ぜひ、書いてあるページを教えてください。)

・・・とはいえ、これは、考えてみれば当たり前の話で・・・。

『食のパラドックス』は、食を通した健康をテーマに書かれているとはいえ、話のメインはあくまでも『レクチン』です。

そして、『レクチン』は、『タンパク質』。

『三大栄養素』 = 『炭水化物(糖質+食物繊維)』、『脂質』、『タンパク質』

なので、
糖質であるオリゴ糖は、レクチンフリーというテーマからはやや外れた位置にいるわけですね。

三大栄養素
『炭水化物(糖質+食物繊維)』 ← オリゴ糖はここ
『脂質』
『タンパク質』 ← レクチンはここ

更に話をややこしくしているのが、

「オリゴ糖は、明確な定義が無く、おおよそ3糖~10糖の単糖が繋がったものの総称」

と、いうこと。(この時点で大混乱)

・・・要は、

「オリゴ糖にも色々あるよ!」

ということなのです。

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今までは、「ゆるレクチンフリーって言ってることだし、なんとなく良さそうなオリゴ糖と甜菜糖は、自分の中ではOKってことにしておこう」と思っていたのですが、今回の記事を書くに当たって、色々と調べてみました。

OKリストの甘味料

ステビア: 双子葉植物
ラカンカ: 双子葉植物
ヤーコン: 双子葉植物
キシリトール: 糖アルコール
エリトリトール: 糖アルコール
イヌリン: 多糖類・・・加水分解によってオリゴ糖を生ずる(!)

NGリストの甘味料

マルトデキストリン: 多糖・・・トウモロコシや小麦のデンプンが用いられる
アガベ(竜舌蘭): 単子葉植物
砂糖(きび砂糖・サトウキビ): 単子葉植物

サッカリン: 人工甘味料(糖質では無い)
スクラロース: 人工甘味料(糖質では無い)
アスパルテーム: 人工甘味料(糖質では無い)
アセスルファムカリウム: 人工甘味料(糖質では無い)
ネオテーム: 人工甘味料(糖質では無い)

・・・情報源は主にWikipediaなので、ひょっとしたら間違っている部分もあるかもしれませんが・・・

こうして分析してみると、

「双子葉植物由来の甘味料はOKで、単子葉植物由来の砂糖はNG」

ということが分かります。

(ただし、ジャガイモ(ナス科)のように、双子葉植物だけどNGな食材もあるので、過信は禁物。)

そして、甜菜(てんさい)は、ビートの一種で、双子葉植物なので・・・たぶんOK

と、いうわけで・・・

「おそらく」という前置きをした上で、甜菜糖や、甜菜糖を原料にしたオリゴ糖は、適度な量であれば、摂っても大丈夫なのではと判断します。

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